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オイルリターン設計 — 吸入管トラップ・ライザ流速・二重ライザ

考えられる原因

オイルリターンの物理 — ガス流速が油をシステム内で運搬

点検: 原理:吸入ガス速度が一定閾値以上である時のみ、油は吸入ガスと共に圧縮機へ戻る。①水平管・下降管:≥4~6 m/s。②上昇管(ライザ、ガス上昇):≥7~12 m/s(重力に逆らう)。③閾値以下だと吸入管底部に油停滞 → 圧縮機油不足。点検:吸入管径+ガス流量+負荷で計算、またはメーカチャート。インバータシステムは低周波運転時にガス流量低下しオイルリターン困難 — 部分負荷でも閾値速度維持の設計必要。

処置: 設計処置:①許容範囲で吸入管径を縮小 — ガス速度上昇、ただし圧力損失も増加。②ライザに二重ライザ(Double Riser)適用 — 大小2本並列、部分負荷では小さいライザのみ流れ閾値速度維持。③ライザ上端・下端に P トラップ・U トラップ — 停止時に油逆流防止+油緩衝。④インバータシステムは圧縮機メーカ推奨の吸入管径を部分負荷基準で決定(満負荷だけでなく)。⑤新規設置は ASHRAE Refrigeration Handbook または ASME B31.5 ガイド参照。

油不足診断+システムクリーニング(オイル回収手順)

点検: シグナル:①圧縮機サイトグラス泡多く油レベル低(正常は 1/2~3/4 で微泡程度)。②圧縮機外殻 — 吸入側が通常より冷たく吐出側が熱い(潤滑不足→摩擦増大)。③振動・騒音 — 軸受摩耗シグナル出現(compressor-bearing-wear 参照)。④保護器 — モータ過熱トリップ頻度増加。⑤系統 — 吸入管のどこかで油停滞疑い(特に蒸発器出口ライザ底部、U トラップ内)。聴診棒を吸入管沿いに当てて「ウェット」流れ音が聞こえる位置で停滞場所推定可能。

処置: オイル回収手順:①Pump-down 運転 — 液管ソレノイド閉で運転し、吸入圧を 0.7~1 bar 程度まで低下させ吸入管内の油を強制吸入。注意:保護器がトリップ可能なため 5 分以内完了。②吸入管ガス速度を一時的に上昇 — インバータ運転周波数を最大に一時設定、または負荷を人為的に増加(庫内を温かく)。③システム回収後、サイトグラスで正常レベルまで圧縮機油を直接補充(同種類・粘度)。④根本処置 — 吸入ライザサイズ/二重ライザ再設計+U トラップ追加または位置調整。

現場のコツ

オイルリターンはシステム運用の「ビッグ3」の一つ(他は適切な充填量、清浄な油/フィルタ)。定期 Pump-down は保守項目として検討価値あり — 年 1~2 回実施で系内油分布正常化。頻度過多は圧縮機にストレス。インバータ制御器の中には「Oil Recovery Cycle」自動機能を持つものもあり、長時間部分負荷運転後に自動で最大周波数 5~10 分でオイル回収。

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