R-Pro現場事例部品

圧縮機吐出温度過高(スクロール107°C超・往復動120°C超)

考えられる原因

冷媒不足 — 吸入ガスでモーター冷却が不足

点検: 低圧ゲージが正常より低い(R-22正常4.5〜5 bar、3 bar以下で不足)、液管サイトグラスに気泡連続、過熱度15°C超。赤外線温度計で吐出管表面を直接測定 — スクロールは100°C付近で注意、110°C超なら即停止

処置: 漏れ検知を先に(電子式+スプレー) → 漏れ箇所補修 → 全量回収 → 真空500ミクロン30分 → 計量充填。部分補充は禁止。充填後に吐出温度100°C以下、過熱度5〜10°Cを再確認

過熱度過大 — TXV/EEV開度不足または感温筒不良

点検: SH=吸入管表面温度 − 低圧飽和温度。15°C以上で過大。感温筒の位置(12時方向、断熱完全)、細管の油汚れ(漏れ)、TXV調整ねじの位置を確認

処置: TXV過熱度再調整:調整ねじを反時計方向に1/4回転ずつ回してSHを下げ、15分安定後に再測定。目標はスクロール5〜10°C、往復動8〜15°C。細管破損・感温筒漏れがあればTXVアッシー交換。EEVは制御器のSH設定値を確認

吸入管の断熱不良 — 周囲の高温で加熱

点検: 吸入管全体を目視 — 断熱材の欠落・破れ・UV劣化を確認。機械室・ボイラー室近傍通過部を重点点検。管路に沿った温度上昇が3°C超なら断熱重度不足

処置: 独立気泡エラストマー断熱材(ArmaFlex等)13〜19mm厚で全区間再施工。継ぎ目は専用接着剤・テープで完全密着、屋外露出部はUV防護ジャケット追加

圧縮比過大 — 凝縮圧力の上昇

点検: 高圧・低圧の絶対圧力比を計算 — スクロール正常3〜5、往復動3〜8。圧縮比10超は危険。凝縮器汚染・ファン故障・冷却水温上昇を同時点検

処置: 凝縮側の問題を解決 — 凝縮器洗浄、ファン・冷却水流量を正常化、冷却塔水温確認。容量不足なら凝縮器増設を検討。凝縮圧が正常化すれば吐出温度は自然に下がる

油の劣化・炭化 — 潤滑失敗

点検: 油サイトグラスで色を目視 — 透明な琥珀色が正常、黒色・濁りは劣化。酸価試験紙でpH確認 — 正常緑色、酸性で黄色。長時間過熱運転後は油交換必須

処置: 油交換 — メーカー指定タイプ・粘度を使用(POE・PAG・鉱油の混用厳禁)。排油プラグから旧油を全量排出、ドライヤーも同時交換、充填後30分運転して再確認。劣化繰返し時は根本原因(過熱・漏れ・油クーラー故障)を解決

現場のコツ

吐出温度は吐出サービスポートから15 cm以内の配管表面を赤外線温度計で測る — ポート本体温度は不正確。スクロール最大127°C、往復動135°C — メーカー仕様を必ず確認し、上限以下でも持続高温なら原因を追う。

565件すべてR-Proでオフライン利用可。62ブランドのエラーコード、冷媒108種のP-Tデータも。

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