R-Pro現場事例部品

冷却塔出口水温が設計値より3°C以上高い — アプローチ悪化

考えられる原因

充填材のスケール・バイオフィルム付着 — 熱交換面積縮小

点検: ファン・ポンプ停止後に充填材を目視 — 白色石灰スケールまたは緑色スライム・粘着膜を確認。水質検査(pH・電導度・TDS)、pH 8.5超または電導度1,500 μS/cm超でスケール促進。充填材の破損・変形も点検

処置: 1) 水処理:スケール防止剤・殺菌剤を投入、自動電導度制御ブローダウン(1,000〜1,500 μS/cm維持)。2) 充填材洗浄:高圧水10〜20 barで上から下へ洗浄、有機汚染酷ければ次亜塩素酸ナトリウム50〜100 ppmを4時間循環後に排水・水洗。3) 損傷充填材は新品交換(PVCフィルムフィルパック寿命5〜10年)

空気短絡 — 出口の湿った空気が入口へ再循環

点検: 入口・出口空気の湿球温度測定 — 入口が外気より2°C以上高ければ再循環。周囲建物・障害物による気流阻害、同屋上の他冷却塔・排気ファンの近接、卓越風向で吐出が壁・障害物に当たらないか確認

処置: 空気吐出部の障害物撤去、隣接排気ファンの再配置またはダクト延長。再循環壁面がある場合は防風板で気流を誘導、増設時は最低2D(D=冷却塔径)の間隔確保。屋上多数設置時は吐出方向を互い違いに配置

ファン風量低下 — ベルトスリップ・ブレードピッチ変化・減速機異常

点検: ファンモーター電流測定(定格比70%以下で風量不足)、RPM測定(銘板値±5%以内)、ベルトたわみ(10〜15mmが正常、それ以上はスリップ)。ブレードピッチを角度計で測定(設計角±0.5°以内)、減速機オイルレベル・金属粉確認。風速計で上部吐出の平均風速測定

処置: ベルト張力再調整または交換(スリップ跡残れば交換)。ブレードピッチ再設定(水平器・角度計使用、全ブレード同角度)。減速機オイル交換、金属粉あればベアリング・ギア点検交換。モーター焼損なら同出力モーター交換

冷却水流量が設計値外(過多または過少)

点検: 流量計確認 — 設計LPS±10%以内。過多なら滞留時間不足で冷却弱い、過少ならフィルター・ポンプ問題。ポンプ吐出圧・電流、Yストレーナー差圧も同時点検

処置: 制御弁(バタフライ・ボール弁)で設計値±10%内に調整、必要ならVFDでポンプ速度制御。分配ヘッダーバイパス調整。流量不足時はYストレーナー清掃を先に。負荷変動に応じた自動流量制御(電導度・温度ベース)も検討

熱負荷が冷却塔容量超過 — システム増設後に塔未更新

点検: 現在の熱負荷計算:Q(kW)=流量(L/s)×ΔT(°C)×4.186。これを冷却塔定格容量と比較。負荷が定格100%を超えたら容量不足。設置後の工程機器追加有無を確認

処置: 短期:設定温度を下げブローダウン強化で出口温度低下を試行。中期:並列冷却塔増設(同一サイズ・流量)。長期:全体更新(大容量またはハイブリッド型)。計算書・図面で設計熱負荷確認から出発

現場のコツ

アプローチ(出口水温−入気湿球温度)の正常範囲は3〜5°C。現場では携帯湿球温度計で入気を測定すれば即判断可能。水温が低く見えてもアプローチが大きければ冷却塔性能低下 — 夏場は水温が正常に見えてもアプローチ大なら整備必要。

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