冷房能力低下 — 運転しているが十分に冷えない
考えられる原因
冷媒不足または冷媒漏れ
点検: ゲージマニホールド接続 — R-410A基準で低圧7〜8 bar、高圧28〜32 barが正常。低圧5 bar以下なら不足確定。サイトグラスに気泡連続+室内機吸入管に着霜があれば漏れの強い疑い。電子式リークディテクターで室内機フレア・室外機サービスバルブ・溶接部をスキャン、疑わしい箇所は検知スプレー
処置: 漏れ箇所を先に修理(フレア再加工・ロウ付けやり直し)→ 冷媒全量回収 → 真空ポンプで500ミクロン以下まで30分以上保持 → ネームプレート表示量どおり計量充填(電子秤使用)。漏れ修理なしの追加充填は厳禁 — 数ヶ月で再訪
空気フィルター詰まり — ほこり・汚れによる風量低下
点検: 室内機前面パネルを開けフィルターを外して光にかざす — 光がほぼ通らなければ高度詰まり。風速計で吹出風速測定(壁掛け標準2.5〜3.5 m/s、1.5 m/s以下なら詰まり)。リターン側グリルの埃層も同時点検
処置: フィルターを外す → 掃除機で大きな埃を除去 → ぬるま湯(40°C以下)+中性洗剤で洗浄 → 完全乾燥後に再装着。破れ・変形時は交換。埃の多い環境(工場・厨房)は月1回、住居は2〜3ヶ月ごと推奨。リターングリルも同時清掃
蒸発器汚染 — フィンに埃・油膜付着
点検: フィルターを外しLEDライトで蒸発器コイルを目視 — フィン間の埃塊または油膜(飲食店・喫煙室で特に多い)があれば汚染。風量正常でも吹出温度12°C超なら蒸発器汚れ疑い。ドレンパンの臭い・スライム確認
処置: 電源遮断 → ビニール等で筐体・ドレンパンを養生 → ノーリンス式コイルクリーナー塗布 → 15分放置 → 低圧スプレーで洗い流し → ドレンパン清掃とホース貫通。汚染が酷ければ分解洗浄(フィンコーム使用)。年1〜2回の定期洗浄推奨
凝縮器(室外機)汚染 — 放熱不良で高圧上昇
点検: 室外機フィンを目視 — ほこり・花粉・落葉・ペットの毛が詰まっていないか、高圧ゲージ異常上昇(R-410Aで35 bar超なら汚染ほぼ確定)。室外機の排風が熱くなくぬるければ放熱不良。設置位置(排風方向・壁クリアランス)も確認
処置: 電源遮断 → カバー取外し → 上から下へ水洗い(高圧洗浄機は20〜30 bar以下、強すぎるとフィン変形)。油汚れ酷ければアルカリ性コイルクリーナー塗布 → 10分 → 水洗い。曲がったフィンはフィンコームで矯正。年1回(春)の清掃推奨
圧縮機能力低下 — 内部バルブ・ピストン摩耗
点検: 圧縮機運転電流測定 — 定格比±20%の偏差(定格5Aで3A以下なら能力低下、7A以上なら過負荷)。高圧・低圧ゲージ同時観察 — 圧縮比は正常(R-410A夏季で4.5〜5)でも両圧が互いに近づけば内部摩耗疑い。クランクケースの油量・油色を確認
処置: 圧縮機丸ごと交換 — 同一モデル・同じ冷媒・同一能力を用意し、冷媒回収後に交換。ドライヤー(フィルタードライヤー)同時交換必須、真空500ミクロン以下30分以上保持、新品POEオイル補充(メーカー指定量)。焼損機だった場合はシステムフラッシュ後に取付。現場修理不可 — 交換のみ
出動クレーム第1位。90%はフィルターと室外機の清掃で解決。ゲージを繋ぐ前にまずフィルター状態を見るのが時短 — 汚れていたら清掃して30分後に再測定。
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